3Dプリンターを買う?作る?それとも… 1
ジャンク産業ロボットからFDM方式3Dプリンターを作りました。予算、ニーズ、スキル、モラルは人によって異なると思いますが、自分の経験についてお話ししますので、何かしら参考になるかもしれません。 既にYouTubeビデオを公開していますので是非見てください。
概要
なぜ私に3Dプリンターが必要なのか?
3Dプリントされたオブジェクトは個々のニーズに合わせて変更できるため、損傷した部品の修理や家電製品のスペアの作成に役立ちます。これにより、既存の製品の寿命を延ばすことができます。また、廃棄物の量を減らせるでしょう。これは、国連の持続可能な開発目標の1つである「目標12:つくる責任、使う責任」の達成に貢献できると思います。そして、メーカーにとって、3Dプリンターは不可欠なものです。
FDM方式3Dプリンターのパーツ
デカルト座標FDM方式3Dプリンターのパーツについて簡単に説明します。
モーションメカニズム、XYZ軸
押出機
コールドエンド
ホットエンド
ダイレクト式フィーダー
電源
コントローラー
操作パネル(UI)
買わずに作った理由
どうして、新品を買う代わりに作ることにしたのか?説明していきます。
要求仕様
私が必要とする3Dプリンターの仕様について
- 3Dプリントを始めたばかりなので、学習と実験のために手頃な価格である
- スペアパーツが手頃な価格で入手しやすいものである
- 自己維持可能
- メンテナンスが簡単
- 静か
- 家庭環境で安全に使用できる(発火しないこと!)
安いプリンターを探したところ、予算は約2万8000円でした。
共通問題点
安い3Dプリンターで起きる問題を調査し、必須の修正がないか、ある場合の時間と費用について確認しました。その結果、安い3Dプリンターのほとんどでこちらの問題や改善点を見つけ、アップグレードのコストを概算しました。
- 非金属性押出機フィーダー関連問題
- 原因
- 非金属性であるため、数週間使用するとフィラメントが穴を侵食し、フィラメントが引きずられ、これにより、押し出し不足が発生します。
- アップグレード / 改善
- 金属押出フィーダーへのアップグレード。 2000円
- 原因
- 電源関連問題
- 原因
- 安価な電源を使用すると、さまざまな問題が発生します。 故障すると、ほとんどの場合、コントローラーや操作パネルに損傷を与え、場合によっては発火することもあります。
- アップグレード / 改善
- 信頼できるブランドの電源に交換。 5500円
- 原因
- 押し出し不足
- 原因
- PTFEチューブは摩擦が大きすぎて、押し出し不足になります。
- アップグレード / 改善
- ダイレクトドライブ押出機をアップグレード。(全ての3Dプリンターと互換性があるわけではありません。) 5000円
- 原因
- 押出機の詰まり
- 原因
- これは主に、ホットエンドのコールドサイドが適切に冷却されていないことが原因です。
- アップグレード / 改善
- より良い冷却をするためにコールドエンド表面を拡張。 より良い熱制御のための可変ファン速度制御。 500円
- 原因
- 騒音
- 原因
- 主な騒音源は、安価なモータードライブと最高速度で動作するパーツクーラーファンです。
- アップグレード / 改善
- モータードライバー、ダンパー、コントローラーのアップグレード(ファン速度制御) 5000円 + モータードライバー
- 原因
- ケーブル関連問題
- 原因
- ほとんどの安価な3Dプリンタには適切な配線がされていないため、ケーブル障害が発生します。 これは火事さえ引き起こす可能性があります!
- アップグレード / 改善
- ケーブル管理を行い、一部のコネクタと電源ケーブルを交換。 2000円
- 原因
私にとって、これらのアップグレードや改善はマストです。合計20000円以上かかりそうです。
DIY or 購入の結論
2つの選択肢があります。
- 選択肢 1, 購入
- 新しい安価な3Dプリンター : 2万8000円
- アップグレード : 2万円
- 合計 : 4万8000円
- 選択肢 2, DIY + アップグレード
- アップグレード : 2万円
- 機械関連 : 2万円
- 合計 : 4万円
*価格は前後する可能性があります。
でも、ちょっと待って!SDGの目標12を考えると、製造されたすべての機械またはデバイスは、何らかの方法で寿命が来るまで再利用できる限り使用し、寿命が尽きたらリサイクルすべきです。これらについて考えているうち、3番目の選択肢があることに気づきました。もっと良い選択肢かも。
- 選択肢 3, DIY + ジャンク3軸ロボット + アップグレード
- ジャンク3軸ロボット : 8000円
- アップグレード : 2万円
- 合計 : 2万8000円
とりあえずの計画
ジャンクの3軸ロボットを購入し、前述のようにアップグレードパーツを使用してその上に3Dプリンターを作り上げるのはどうかと。
長所と短所
選択肢3の長所と短所
- 長所:
- SDGsの観点では、これにより廃棄物の量を減らせる。
- 勉強ができる。
- 産業用ロボットを見つければ、位置決め精度が最高に良くなる。
- 短所:
- 購入やDIYオプションよりも時間がかかる。
- 色々なトラブルが発生する可能性がある。モーター制御などのために追加回路が必要になる可能性がある。
- ジャンクがジャンク過ぎて、まったく使えない可能性がある。
スキルとツール
必要なスキルとツール
- 加工など
- 穴あけとテーピング、部品の作成、切断、フライス盤などの基本的なスキル。
- 電子回路
- 電子回路を安全に接続するための十分な知識。
- パソコン
- オープンソースファームウェアのコンパイル(marlin)
- プログラミング
- 必要に応じて3Dプリンターファームウェア(marlin)のカスタマイズ。
- 工具など
- 必要な各分野のためのさまざまなツールとそれらを安全に使える知識。
キャリブレーションキューブ
話はまだ続きますが、この3Dプリンターでプリントした20mmのキャリブレーションキューブをお見せしましょう。
ちょっといわゆる象の足問題があります。まだすべてのキャリブレーションは完了していません。すでにお分かりのように、選択肢3を選び、そこそこの3Dプリンターになりました。
クローズアップ
制作過程など他の写真をインスタに載せています。私についてページからアクセスできます。
スポンサーシップ
何もないところからプロジェクトを立ち上げるのは、とても時間がかかるものです。私がこの様なプロジェクトに取り組み続け、皆さんに新しいコンテンツを提供できるよう、支援をご検討いただければ幸いです。
- Patreonで支援する(月々)
- Ko-fiで支援する (一回)
- GitHubでスポンサーになる (一回/月々)
次の記事では
どのような問題に対処したか?どれくらいの費用がかかったか?パート2でそれらについて話します。
つづく…